【長編小説】KEYSTROKE ─ 第4話「空の下の2回戦」

type-fes4 長編小説

     

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扉を開けると、そこには雲一つない空が広がっていた。
2回戦は、まさかの“屋上”。

そこに集められたのは――
1回戦を勝ち抜いた、わずか50人。

参加者たちはざわめいた。
机の上にキーボードがなく、置いてあるのは、モニターと鉛筆と紙のみだった。
   

【2回戦】「フラッシュ暗算」

出題数  :3桁の数字 × 30個
表示時間 :1秒ごと
解答方法 :すべての数字を加算し、最後に合計を答える

突破条件 :上位10名

「指じゃなくて、頭の勝負?」
「Type Fesって、タイピング大会じゃなかったの?」

参加者の戸惑いの声が、いくつか漏れた。
一方、終打は無言のまま、席に座った。

カウントが始まる。
「3、2、1……スタート」

次々と変わる数字。それを、彼は一度も瞬きをせずに追っていく。

脳内で計算しているというより、
数字を飲み込み、次の数字を迎え入れるような感覚で進む終打。

「終了」

終打の解答は、「18301」

【結果】
第1位 斉堂終打
正解:18301

正解者は終打のみで、残りの9人は近い数字を解答した人が選ばれた。

参加者たちの視線が、彼に集まる。
だが終打は、何も感じていないように階段のほうへ歩き始めた。

──第2回戦、終了。

次は「本選の本質」が問われる。

       

※この作品はフィクションです。
登場する人物・団体・出来事はすべて架空であり、実在のものとは関係ありません。
一部の文章や画像に生成AIを使用しています。