START

扉を開けると、そこには雲一つない空が広がっていた。
2回戦は、まさかの“屋上”。
そこに集められたのは――
1回戦を勝ち抜いた、わずか50人。
参加者たちはざわめいた。
机の上にキーボードがなく、置いてあるのは、モニターと鉛筆と紙のみだった。
【2回戦】「フラッシュ暗算」
出題数 :3桁の数字 × 30個
表示時間 :1秒ごと
解答方法 :すべての数字を加算し、最後に合計を答える
突破条件 :上位10名
「指じゃなくて、頭の勝負?」
「Type Fesって、タイピング大会じゃなかったの?」
参加者の戸惑いの声が、いくつか漏れた。
一方、終打は無言のまま、席に座った。
カウントが始まる。
「3、2、1……スタート」

次々と変わる数字。それを、彼は一度も瞬きをせずに追っていく。
脳内で計算しているというより、
数字を飲み込み、次の数字を迎え入れるような感覚で進む終打。
「終了」
終打の解答は、「18301」

【結果】
第1位 斉堂終打
正解:18301
正解者は終打のみで、残りの9人は近い数字を解答した人が選ばれた。
参加者たちの視線が、彼に集まる。
だが終打は、何も感じていないように階段のほうへ歩き始めた。
──第2回戦、終了。
次は「本選の本質」が問われる。