【長編小説】KEYSTROKE ─ 第7話「仲間」

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観覧車の扉が静かに開いた。
終打と老人は、まるで何かを背負った者同士のように、無言のまま歩き出す。
その背後から、小さな足音が近づいてきた。

「・・・待ってください。」

振り向いた先には、あの少女がいた。
黒髪のロング、控えめな眼差し。

“TypeFes一回戦”で終打と戦い、静かに敗れ去った相手──早打琴葉(はやうち ことは)。

琴葉
「あなた(終打)を追って、ずっと来ました。」

終打は無言のまま視線を交わす。
琴葉は、何も説明しなくても通じているように感じた。

老人
「彼女は・・・?」

終打
「僕と同じように、タイピングに真っ直ぐな希望を抱いている方です。
 彼女もKEYSTROKEの一員として迎えてくれませんか。」

少しの沈黙の後、老人は穏やかに笑みを浮かべた。

老人
「歓迎しよう。タイピングだけではない才能が彼女からは感じるね。」

そのまま老人に付いて行き、ある扉の前まで来た。

老人
「さあ、行こうか。」

老人
「ここが、我々の拠点だ。そして、すでに3人の仲間がいる。
 この場所で”VOICELINK”と戦うための作戦を練り、行動を開始する。」

終打は静かに頷いた。

老人
「紹介しよう。彼らが──KEYSTROKEの中核を担う者たちだ。」

最初に歩み寄ってきたのは、白髪を肩で揺らす静かな女性。
透き通るような水色の瞳が、冷静に終打を見つめていた。

老人
「氷堂 結花(ひょうどう・ゆいか)。分析・可視化において、私たちの頭脳となる。」

結花は静かに一礼し、終打と琴葉をまっすぐ見つめて言う。

結花
「よろしくね、終打くん!琴葉ちゃん!あなた達と会えるの楽しみにしてたの!」

続いて現れたのは、髪を後ろでひとつにまとめた落ち着いた男。
その立ち振る舞いから、すでに確かな経験と理性がにじみ出ていた。

老人
「綾月 慎一(あやづき・しんいち)。戦術と心理分析を担う、盤面の読み手だ。」

慎一は微笑むようにして、低く落ち着いた声で終打に語りかけた。

慎一
「速さは武器だ。私は、それを活かす”陣形”を作るよ」

最後に、短髪の青年が声を上げた。
黄緑の髪が揺れ、空気が一気に軽くなる。

老人
「裂波 瞬(れっぱ・しゅん)。AIとのネットワーク接続、セキュリティ突破のスペシャリストだ。
 我々の”道を切り拓く鍵”を担っている。」


「2人とも真っ直ぐな瞳だね!楽しんでいこう!」


3人とも、ただの”技術者”ではない。
それぞれが、戦いの要となる分野で突出した才能を持っている。

老人が一歩下がり、静かに言葉を紡ぐ。

「この5人で、VOICELINKの一歩先を行こう。」
  

KEYSTROKEメンバ

名前役割特徴
斉堂 終打
(さいどう・しゅうだ)
タイピングスピード圧倒的タイピングスピード
早打 琴葉
(はやうち・ことは)
感性翻訳・サポート共鳴力に優れた繊細な支援役
氷堂 結花
(ひょうどう・ゆいか)
情報解析・可視化冷静なデータの読み解き役
綾月 慎一
(あやづき・しんいち)
戦術設計・心理分析静かに戦況を読む参謀役
裂波 瞬
(れっぱ・しゅん)
システム介入・突破電脳の道を切り開く突破者

        

※この作品はフィクションです。
登場する人物・団体・出来事はすべて架空であり、実在のものとは関係ありません。
一部の文章や画像に生成AIを使用しています。